二月の終わりに、一番最初の入院のときの同室の方から電話がありました。
出てみると、ずいぶん動揺した声で、やっぱり同じ部屋だった方の訃報でした。
70歳を少し過ぎたすごくチャーミングな女性の方で、大好きな方なんです。
消化器系のがんと、他にもいろいろご病気を抱えておられる方で、
でも、くじけずにきちんと病気と向き合って、毎日を過ごしてるんです。
外出もままならないから、毎日、窓から空を眺めて雲の形や、空の色を楽しんで、
一日、50cc以下の水分しか飲めないので、紅茶でうがいして、
「気持ちいいよ。」って。飲めないコーヒーの香りを楽しみに、病院の中のカフェまで、一緒にお散歩もしました。いい香りの中で、「もう一生食事出来ないっていわれた〜。」って。私、涙が出ちゃって、泣きそうだったんだけど、その人が泣かずにいてるから、「おじゃこ一匹くらい食べれたらなぁ。」ってゆうから、「そうやなぁ。」ってゆうしかなくて。
ぴかぴかのローソンピクニックの思い出と、それからつらい病気と、たくさんの笑顔と楽しいお喋りと。その人は、私の記憶の中で今でもぴかぴかしています。
またいつかどこかで。きっと。
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